<合唱対訳>

《ナブッコ》ヘブライ人の合唱

【ヘブライ人たち】 
行け わが思いよ 金色の翼に乗って 
行って安らぐのだ 斜面や丘の上に 
暖かく 柔らかく香り立つところ 
そよ風が甘く香るふるさとに! 
ヨルダン川の岸辺に挨拶しておくれ 
シオンの倒された塔にも... 
おお わが祖国よ とても美しく そして失われた! 
おお 思い出よ とてもいとおしく そして不幸な! 
金の竪琴よ 預言者たちが言葉を紡ぐ 
なぜ黙っているのだ 柳の下に吊るされて? 
思い出をこの胸に再び掻き立てて 
われらに語ってくれ 過ぎ去った日々のことを! 
あのエルサレムの運命に似て 
悲しき嘆きの響きを紡げ 
でなければ主に掻き立てさせよ 
この苦しみを耐えさせてくれる調べを!


《ナブッコ》アビガイッレのアリア

第二部 - 邪悪

見よ...! 
主の旋風が現れ出でて 
不信心な者の頭上に落ちるであろう 
エレミヤ書 30章

第1場 
宮殿の一室 
アビガイッレ

【アビガイッレ】 
[手に紙を持って急いで入ってくる] 
お前を見つけて良かったわ おお宿命の文書よ!...懐の内に
お前を王は隠していたのね、私に与えるために 
恥辱を!...アビガイッレ この奴隷の子に! 
いいでしょう!...それならそれで!ナブッコの娘だと 
アッシリア人たちは信じているのですから 
私はここで何者なの?...奴隷よりも酷いわ!王位を 
王は年下のフェネーナに譲ろうとしているし 
兵士たちに交じって ユダを打ち滅ぼすことだけに 
心奪われている!...私を他人の愛し合っているところを 
監視させようと戦場からここへ呼び戻したのよ!...ああ邪悪だわ 
みんな、その上狂ってる!... このアビガイッレの 
心など分かりもしないでしょう... 
みんなの上に私の怒りが 
襲いかかるのを見るでしょう!...ああ! 滅びよフェネーナ... 
偽の父も!...王国も!... 
私もまた滅びるがいい、おお死をもたらす怒りよ!

かつては私も開いていたわ 
喜びに心を 
まわりのすべてが語るのを 
私に神聖な愛のことを 
私も泣いた 他人の涙のために 
苦しんだわ 他人の嘆きのために 
ああ!誰があの失われた魅惑を 
私に戻してくれるの 一日だけでも?

《エルナーニ》エルヴィーラのアリア

第3場

シルヴァの城の中のエルヴィーラの豪華な部屋 夜である エルヴィーラはひとり


【エルヴィーラ】 
夜になった、でもシルヴァは戻ってこないわ! 
ああ、二度と戻って来なければいいのに! 
あの憎らしい老いぼれ 
いつも汚れた幽霊みたいに私を追いかけて 
愛のことばかり話すのよ 
それで一層私の心の中ではエルナーニのことが愛おしくなるの 
エルナーニ!...エルナーニ、私を救って 
あのおぞましい抱擁から 
逃げましょう...あなたと一緒に暮らすことを 
愛が私に許してくれるのなら 
洞窟であろうと 荒れ地であろうと 
私は自分の足でついて行くわ 
喜びのエデンの地に 
私にはその洞窟がなるのですから

第4場

前場の登場人物とメイドたち、豪勢な結婚式の贈り物を持って入ってくる

【メイドたち】 
どれほど大勢のイベリアの乙女たちが 
あなたのことを羨んでいるでしょう、お嬢様! 
どれほどこの新婚のベッドを大勢が欲しがっているでしょう 
あなたを愛しておられるシルヴァ様の! 
これらの美しい宝石は 
花婿様があなたに贈られたものです 
あなたはまるで女王様のよう 
この宝石と美貌とで 
花嫁として明日 歓喜のうちに 
誰もがあなたをお迎えするでしょう

【エルヴィーラ】 
私には甘いは嬉しいですわ​​ その純真なお顔が 
私を心からお祝いして下さっている 
(独白) 
(みんな軽蔑するわ エルナーニのことを 
私の心に語りかけてくれないものは 
どんな宝石も愛に 
憎しみを変えることはできないわ 
飛び行け、おお時よ、すぐ過ぎ去って 
私の逃亡の幸せな瞬間を早く! 
飛び行け、おお時よ、愛する心には 
待つことは拷問なのです)

【メイドたち】 
(花嫁になられても、愛してはおられないのね 
少しも嬉しそうじゃないんですもの)

(彼女たちは退出 
ジョヴァンナに続いてドン·カルロが入ってくる)


《ジョヴァンナ ダルコ》
【カルロ】
カルロよ!恐れるのか!
驚きに動揺するのか!
まだ幻を見ている様だ!
ここが夢に現れた神聖な森なのだ!
ひざまずき、祈りを捧げよう!
【悪魔たち】
☆可愛い娘よ!何をしたいのだ!
お前が愛を忘れたら、二度と愛は戻らない!
溜息をつくほどのお前の若さ☆

悪魔など作り話しだ!
人はすぐに年をとる!
お前の清らかさを誇れ!

☆〜☆を繰り返し

【天使たち】
立て!神々が気高い望みを
満たして下さる!
お前がフランスを解き放つのだ!
ここに兜と剣がある!

立て!選ばれた乙女よ!
主の使者となれ!
だが、俗世の愛を受けてはならぬ!

【悪魔たち】         【天使たち】
可愛い娘よ!          気を付けろ!!!
何をしたいのだ!

《アッティラ》オダベッラのアリア

【オダベッラ】 
(力に満ち溢れて) 
聖なる無限の祖国への愛よ!

勇者が突進するときは常に 
ライオンのように 剣を手に 
お前たちの女は おお野蛮人よ 
ワゴンの上で泣いているわ 
けれど われらイタリアの女性は 
胸を鉄の鎧で覆い 
燃え立つ地上で 
常に戦うところが見られるのよ

【アッティラ】 
美しいぞ その怒りは おお乙女よ 
その輝く瞳のうちにある 
アッティラは強き者を崇拝し 
臆病者を嫌うのだ... 
おお勇敢なる者よ わしに求めよ 
何なりとお前の求めることを

【オダベッラ】 
私に剣を返して​​!...

【アッティラ】 
わが剣をお前に与えよう!...

【オダベッラ】 
(おお 剣よ!) 
お前によって今 私は許されたのです 
おお至高の正義を 聖なるものを! 
抑圧者への憎悪が武装するとは 
抑圧者の武器によって 
邪悪な刃よ 当ててご覧なさい 
誰の胸にお前の切っ先は向けられるのかを? 
復讐の時は来ている... 
それは主によって示されたのです

【アッティラ】 
(独白) 
(破壊することだけを求めていたわしの心に 
新しい感情が突然に下りてきたのか?

その気迫が その高貴な顔が 
優しくわしの心をときめかす!)

【ウルディーノと合唱】 
ばんざい 王様 この大地にしろしめす 
ヴォータンの栄光に包まれて! 
奪うときには 奔流のように激しいが 
勇気ある者に報いるときは 露のように寛大だ

オダベッラと女たちは去る

《マクベス》

【合唱】 
[舞台に現れる] 
不吉な日! 
子供たちのために祈りましょう! 
轟音が静まった!

【舞台裏からの声】 
勝利だ!...

【女たち】 
[喜びにあふれて] 
勝利!...


最終場 
前場の登場人物、マルコムは後ろにイングランドの兵士たちを率いる、その後ろにマクベス軍の捕虜たちが続く

【マルコム】 
どこへ逃げ去ったのだ 
あの簒奪者は?

【マクダフ】 
そこに 私に突き刺されて 
[片膝を地につけて] 
万歳、王様!

【合唱】 
万歳、王様! 
マクベスは、マクベスはどこだ? 
あの簒奪者はどこなのだ? 
一撃で倒されたのだ 
勝利の神に 
[マクダフに] 
彼は勇敢な英雄だ 
この裏切り者を殺した! 
祖国は、王家は救われた 
彼に名誉と栄光がありますように

【女たちの合唱】 
御身にわが感謝が届きますように 
偉大なる復讐の神よ 
私たちを自由にして下さった方に 
栄光の賛歌を歌いましょう

【マクダフ】 
皆 王に信頼を捧げましょう 
われらの愛を取り戻して下さった! 
ここに現れた暁が 
あなた様に平和と栄光を与えて下さらんことを!

【マルコム】 
信じよ、スコットランドよ 私を 
抑圧者は消えたのだ! 
この喜びを永遠に 
われらの勝利としようではないか